蚊の眼

中島らも氏が亡くなられました。
若い。早い。もったいない。
…悲しいのです。

私が、らも氏の文章を知ったのは浪人時代です。
予備校の授業で取り上げられたらも氏の一文
「蚊の脳は、眼と言うレンズを通して反転して入力された映像をもう一度反転させて認識する機能が無い為、世界が逆転して見える」
といった内容でしたが
(確か記憶によれば『頭の中がカユいんだ』に収録『飼い主探し』の一文。『アマニタ・パンセリナ』にもその文章を書いた経緯が紹介されている。ホントはその後に「蚊にとって上昇は下降であり下降は天に登る上昇なのだ」とある文章だったはずだけど、出題はその部分のみが使われていた)
それをネタにしながら小論文講師が
「この人の文は良いんだぞ、将来きっととんでもない作品を書くぞ(当時、朝日新聞連載『明るい悩み相談室』を読んでる人以外には、ほとんど知られていなかった)読むのだ」
と薦めたのを切っ掛けにその著作を読みはじめました。
出版社の無料広報誌に連載されていたモノもほとんど読んでました。
(『人体模型の夜』一編だけ単行本に収録されて無いエピソードがあるのが悔しい。あの雑誌、もはや手許に無い)
ガダラの豚
先日北村薫の『盤上の敵』を読んで『ガダラの豚』連想して「読み返そう」と考えていて、また、それとは関係なく本日車での移動中に「『今夜、すべてのバーで』をあの子に貸さないとなあ…」とか考えていた矢先だったので、偶然とは言え物凄く私的に、個人的に、内面的に、ショックでした
(外面的にショックというモノもないだろうけど)

東京中低域で大阪「春一番」で御一緒したときに
ゆでたまご
を食べていた光景を思い出しました。
私が一番印象に残っている本は『獏の食べのこし』です。
御冥福をお祈りいたします。

そしてテナー・サックス奏者、イリノイ・ジャケー氏も亡くなりました。
最近、古いカセットテープを実家で見つけ、移動の自動車中でよく聴いていた矢先でこれも偶然とは言え物凄く私的に、個人的に、内面的に、ショックでした。
というわけで本日も追悼で『ゴー・パワー!』を聴きながら移動。
御冥福をお祈りいたします。